ロボットケーブルをご紹介する前に、大まかにケーブルの種類を説明します。
ケーブルには主に2種類あり、1つが固定ケーブルです。こちらは一般的なケーブルであり、配線した状態から動かないものに使用されます。
例:電話配線や電柱等
もう1つが、可動ケーブルです。ケーブルが一時的または断続的に可動するものに使用されます。
例:産業用ロボット
今回は、先述した可動ケーブルの1種とされる「ロボットケーブル」についてご紹介します。
ロボットケーブルの特徴
【柔軟性と可動性】
高柔軟性: ロボットケーブルは、通常のケーブルに比べて非常に柔軟で、狭いスペースや複雑な経路にも対応できます。
繰り返し曲げ耐性: ロボットアーム等の繰り返し動作する部分に使用されるため、数100万回の曲げに耐えられる設計となっています。
【耐久性】
耐摩耗性: 継続的な動作により摩耗しやすいため、外皮は耐摩耗性の高い材料が使用されています。
耐引裂性: 繰り返しの動きに耐えられるため、引き裂きに強い構造となっています。
耐油性・耐薬品性: 工場などの環境では油や薬品にさらされることが多いため、これらに対する耐性も備えています。
【環境適応性】
耐熱性・耐寒性: 幅広い温度範囲で使用できるように設計されています。
耐候性: 屋外での使用にも耐えられるため、紫外線やその他の気象条件に対する耐性があります。
【電気的特性】
低ノイズ設計: 高速で動作する際のノイズを低減するためのシールドやツイストペア構造が採用されています。
高信頼性の接続: 信号の伝達や電力供給において、高い信頼性を確保するための構造が採用されています。
【その他の特性】
軽量化: ロボットの可動部分に負荷をかけないよう、軽量化が図られています。
簡易な配線: 設置やメンテナンスが容易になるような設計がされています。
これらの特性により、ロボットケーブルは工業用ロボットや自動化設備において重要な役割を果たしており、効率的で信頼性の高い運用をサポートしています。
ロボットケーブルの構造と役割
シース(外被)=ケースを保護する(機械的、耐熱、耐薬等)
シールド=ノイズを防ぐ
内被=線芯の撚り構造をサポートする
絶縁体=導体に流れる電気を遮断する
導体=信号等の電気を送る
※メーカー等で仕様は異なります。
<用途にあった選定>
上記にも記載した通り、ロボットケーブルは一時的または断続的に可動するものに使用されます。そのため、ご使用になる機械に合わせて構造を選ぶ必要があり、特注品になる場合がほとんどです。
構造が変わる要因として下記があげられます。
〇ケーブルにかかる負荷(損傷がないよう許容される曲げ半径)。
〇動作の種類(首振り、捻回、摺動)
〇耐油や難燃等の使用環境。
ロボットケーブルは動かしても断線しにくく、使用環境に適したカスタムが必要になり、耐ノイズや柔軟性等もどれくらい必要になるかが選定のポイントになります。
まとめ
ロボットケーブルは過酷な環境での使用を想定したケーブルと言われており、目的や用途をよく確認し、オーバースペックにならないよう選ぶ必要があります。
適切なケーブル選定にお悩みの際や、さらなる詳細情報をお求めの場合は、ぜひ弊社にご相談ください。弊社の専門スタッフが、お客様のニーズに最適なソリューションを提供いたします。